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2026年10月29日木曜日
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販売量減少も価格上昇でダウの第3四半期業績が回復

執筆 MinJeKim

販売量が減る中、値上げが支えたダウの第3四半期の回復

ダウはメーカーや販売業者にプラスチック、シリコーン、工業用化学品を販売している。2026年第3四半期は、販売量が1%減ったものの、売上高は13%増えた。販売価格の上昇とコスト削減によって利益が改善したためだ。この回復により、ダウは事業を立て直す余地を広げた。ただし、現金収入の増加には、なお争いの対象となっている訴訟関連の入金も寄与した。

分析対象期間:2026年9月30日までの四半期と9カ月間。調査の基準日:ニューヨーク時間の2026年10月24日。確認した最新の決算発表と提出書類の日付は、それぞれ10月22日と10月23日。

1. 値上げで利益率が改善、出荷量の伸びにはばらつき

全体の販売量は小幅に減ったが、ダウは販売した製品から得る利益を増やした。売上高は製造コストを上回るペースで伸びた。その結果、研究、管理、資金調達、税金に充てられる額が増えた。

価格の回復と顧客の注文増加は、続く期間が異なり得るため、この違いは重要だ。ダウの第3四半期の売上高には、現地通貨建ての価格と製品構成の変化が14%押し上げに寄与した。為替の寄与は全体でなく、販売量の寄与はマイナス1%だった。これらは会社が示した売上高の変化を表す概数であり、特定の製品の値上がり幅ではない。

ダウの連結業績2025年第3四半期2026年第3四半期2025年最初の9カ月2026年最初の9カ月
売上高、百万米ドル9,97311,26730,50833,153
売上総利益(計算値)、百万米ドル7311,3781,9854,185
報告された営業費用控除後の利益(計算値)、百万米ドル131741-6541,592
税引き前利益、百万米ドル70642-9631,123
連結純利益、百万米ドル124525-967882
ダウ普通株主に帰属する純利益、百万米ドル62458-1,080646
報告された希薄化後一株当たり利益、米ドル0.080.62-1.530.88

計算上の注記:売上総利益は、売上高から売上原価を差し引いた額。表の営業費用控除後の利益は、さらに研究費、販売費、一般管理費、取得した無形資産の償却費、事業再編費用を差し引いて計算した。ダウはこの額を米国会計基準に基づく独立した項目としては表示していない。この計算には、出資先の損益、その他の収益、利息は含めていないため、経営陣が示す調整後営業EBITとは異なる。

出典:ダウの2026年第3四半期のフォーム10-Q、ダウの連結損益計算書、5ページ。売上高と費用に関する説明、44~47ページ。

売上総利益は、売上高一ドル当たり前年の7.3セントから12.2セントに増えた。原材料、エネルギー、輸送、計画保全にかかる費用の上昇が、値上げの効果を一部相殺した。一方、コスト削減は費用増を抑える助けとなった。利益の改善には、販売時の利益率の上昇と会社の取り組みが寄与しており、原材料などが安くなっただけではない。

主要な3事業はいずれも改善したが、その要因は異なる。次の表は、ダウが示す営業EBITを使う。これは利息と税金を差し引く前の利益から、特定の重要な項目を除いたものだ。詳しい調整内容は計算上の注記に示す。

第3四半期の事業別業績、特記なき限り百万米ドル売上高 2025年売上高 2026年営業EBIT 2025年営業EBIT 2026年販売量の影響、2026年対2025年
包装材・特殊プラスチック4,8915,7781995851%
工業用中間製品・インフラ2,8343,058-47176-7%
高機能材料・コーティング2,0822,250801543%
全社部門166181-52-28非開示
連結合計9,97311,267180887-1%

出典:ダウの2026年第3四半期のフォーム10-Q、注記21および事業部門に関する説明、48~51ページ。事業部門の合計が連結全体と一致するよう、全社部門も含めている。

包装材・特殊プラスチック部門は、調整後営業EBITの増加額7億700万ドルのうち3億8,600万ドルを占めた。主な支えはポリエチレンの価格上昇だった。ただし、同部門の販売量が1%増えたことは慎重に読む必要がある。同部門は炭化水素やエネルギーも販売している。これらの販売量は、-2025年半ばから停止していた欧州のエチレン分解設備の再稼働にも支えられて増えた。一方、包装用プラスチック事業自体の販売量は、中東からの供給が滞ったため減少した。部門全体の数字だけでは、ダウが包装用プラスチックをより多く出荷したとはいえない。

工業用中間製品・インフラ部門は、販売量が7%減ったにもかかわらず黒字に戻った。価格の上昇、コスト削減、サダラの損失を計上する方法の変化が、原材料などの費用増を上回った。産業向け製品では、人工知能のインフラやエネルギー用途に使う材料への需要と触媒の販売が、北米での成長を支えた。ポリウレタンと建設用化学品の販売量は減少し、特にアジア太平洋、欧州・中東・アフリカ、インドで落ち込んだ。

高機能材料・コーティング部門では、より幅広い製品で販売が伸びたことが最も明確に見て取れる。価格も販売量も上昇した。顧客は建築用塗料、家庭用品、消費者向け製品、電子機器に使う材料をより多く購入した。英国バリー工場の閉鎖で原料となるシロキサンの販売量は減ったが、加工を進めたシリコーン製品は伸びた。費用の高い基礎製品の生産を減らし、完成度の高い特殊配合製品をより多く売る動きは、経営陣が目指す事業転換と一致する。

出典:ダウの2026年第3四半期のフォーム10-Q、注記3および事業部門の説明、48~50ページ。

地域別の数字からも、回復にばらつきがあることが分かる。第3四半期の販売量は、米国・カナダ地域と欧州を中心とする地域でそれぞれ2%、中南米で3%増えた。一方、アジア太平洋では12%減った。ダウは、中東の紛争によって輸送が制限され、物流費が上がり、地域の合弁事業にも影響が出たとしている。北米と中南米での生産に加え、欧州で異なる原料を使えることが、対応を助けた。

供給の逼迫が化学品メーカーの利益率を押し上げたことを示す、別の証拠もある。ライオンデルバセルの2026年第2四半期の提出書類は、中東からの供給制約によって価格が上がり、利益率が改善したと説明している。これは前の四半期の資料だが、ダウの回復の一部に業界共通の要因があったという見方を支える。ただし、ダウの第3四半期の業績を測るものではなく、すべての地域で需要が改善したことも意味しない。

出典:ダウの2026年第3四半期のフォーム10-Q、中東に関する説明と売上高の分析、42~44ページ。ライオンデルバセルの2026年第2四半期のフォーム10-Q、経営陣による分析の「概要」と「事業の業績」。

今回の回復は、低調だった2025年との比較だけでは説明できない。2023年と2024年の第三四半期に、ダウが報告した売上高はそれぞれ107億3,000万ドルと108億7,900万ドル、調整後営業EBITは6億2,600万ドルと6億4,100万ドルだった。直近の四半期の調整後営業EBIT8億8,700万ドルはそのどちらも上回る。ただし、価格を取り巻く状況や事業の範囲は変わっている。ダウの利益を生む力は回復した。今後の焦点は、混乱した供給経路が正常化したときに、どこまで維持できるかだ。

出典:ダウの2024年第3四半期のフォーム10-Q、事業部門の報告に関する注記、業績、営業EBITへの調整、38ページ。ダウの2026年第3四半期のフォーム10-Q、注記21とリスク要因、60~61ページ。

2. 報告利益の改善には、サダラに関する会計上の効果も含まれる

出資先からの損益の改善には、損失の計上を止めた効果が一部含まれる。ダウは通常、サダラのように一部を保有する合弁事業の損益を、持分に応じて計上する。2026年第1四半期には、サダラの損失をそれ以上計上しなくなった。すでに認識した負債が、ダウの関連する義務と約束の額に達したためだ。この会計上の限度は、サダラの事業が回復したことを示すものではない。

ダウはサダラの35%を保有している。9月30日時点で、サダラへの投資残高はマイナス7億5,800万ドルで、負債として計上していた。これとは別に、サダラの債務保証について5億ドルの負債を計上した。ダウが保証するプロジェクト融資の元本と関連利息は約12億ドルに上る。このため、計上した保証負債は負担額の見積もりであり、契約上の保証総額ではない。

この義務に伴い、すでに現金の支払いも生じている。ダウは第2四半期に、期限を迎えたサダラの当座貸越枠の保証を履行するため、8,000万ドルを支払った。また、第4四半期に期限が切れる8,600万ドルの信用状を発行した。したがって、出資先に関する報告利益が改善しても、ダウがその事業を現金で支えている状況は続き得る。

出典:ダウの2026年第3四半期のフォーム10-Q、注記9、12、19、23、27、35~36ページ。

連結対象ではないすべての出資先を合わせると、第3四半期の損益は7,200万ドルの損失から1,200万ドルの利益に改善した。ダウは、主な理由としてサダラの損失計上を停止したことを挙げている。この8,400万ドルの改善は、連結税引き前利益の増加額5億7,200万ドルの一部を占める。より大きい6億1,000万ドルの寄与は、表で計算した営業費用控除後の利益の改善によるものだった。一方、その他の収益の減少が改善の一部を相殺した。増減の詳しい内訳は計算上の注記に示す。

経営陣による調整では、通常とは異なる影響がすべて除かれるわけではない。直近の四半期にダウは、事業転換とその実施にかかる費用、債務の早期償還による損失、ノバとの訴訟による利益のうち6,900万ドルを除外した。ただし、提出書類に記載されたノバ関連の利益総額は7,400万ドルだ。残る500万ドルは一般管理費を減らす形で計上され、調整後の業績にも含まれた。サダラの損失計上を止めた効果も残っている。調整後利益は一部の費用を除いて比較するのに役立つが、繰り返し得られる現金収入をそのまま示す数字ではない。

前年との比較には、別の項目も影響していた。1億1,000万ドルの事業売却益と、特定された1億2,000万ドルの税制上の利益だ。ダウの調整後では、第3四半期の普通株主に帰属する損益は、2025年の1億3,200万ドルの損失から2026年の5億2,100万ドルの利益に転じた。報告上の利益も大幅に改善しており、回復は調整後の数字だけで見られるものではない。

出典:ダウの2026年第3四半期のフォーム10-Q、注記6、12、21、経営陣による分析、46~47ページ。2026年10月22日付決算発表、重要項目の調整表、11ページ。

3. 現金収入で設備投資と株主への支払いを賄う。係争中の訴訟に関する入金も寄与

ダウが報告した現金収入は大幅に改善したが、その改善には訴訟関連の入金が大きく寄与した。継続事業から得た現金は、最初の9カ月間で42億8,700万ドルに達し、前年同期の7億6,400万ドルを上回った。設備投資を差し引くと、ダウの定義するフリーキャッシュフローは24億4,600万ドル残った。

現金の創出と使途、百万米ドル2025年の最初の9カ月2026年の最初の9カ月
継続事業による営業キャッシュフロー7644,287
設備投資の現金支出1,9111,841
フリーキャッシュフロー(会社独自の非GAAP指標)-1,1472,446
ダウ株主への現金配当1,239758
子会社の少数持分保有者への現金分配93232
両分配後の残額(計算値)-2,4791,456

計算上の注記:フリーキャッシュフローは、継続事業による営業キャッシュフローから設備投資の総額を差し引いたもの。投資に伴うすべての現金支出を差し引くわけではない。最後の行は、フリーキャッシュフローから現金分配の両行を差し引いた額で、現金残高の増減額ではない。いずれの9カ月間にも普通株式の買い戻しはなかった。

出典:ダウの2026年第3四半期のForm 10-Q、キャッシュフロー計算書、8ページ。フリーキャッシュフローの調整表と資金配分、52~56ページ。

ノバはアルバータ州の裁判所の判決を受け、3月に約10億ドルをダウへ直接支払った。ダウは7月にも、ノバが源泉徴収してカナダの税務当局に納めていた税金の還付として3億1,800万ドルを受け取った。これらの入金は営業キャッシュフローを押し上げたが、ダウが最初の9カ月間にこの件で計上した税引き前利益は1億1,400万ドルにとどまった。支払額の大半はなお係争中だ。新しい判決に関する12億2,000万ドルは、以前の判決に関する2億100万ドルとともに、固定負債に計上されたままである。

現金と利益の扱いが異なるのには理由がある。ダウはすでに現金を受け取ったが、控訴が続いており、最終的にいくら保持できるかは不確かだ。7月の還付も同じ法的支払いに関わる。これを継続的な税負担の軽減として別に加算すれば、改善を過大に示すことになる。

出典:ダウの2026年第3四半期のForm 10-Q、注記12のノバのエチレン資産に関する事項、26ページ。営業キャッシュフローの説明、51~52ページ。

通常の支払い時期も影響した。最初の9カ月間には、売掛金に12億1,400万ドル、棚卸資産に4億2,900万ドルの現金が使われた。つまり、計上済みの売上代金の回収待ちや、販売待ちの製品・原材料に、より多くの資金が充てられていた。一方、買掛金の増加で10億1,400万ドルの現金を確保できた。ダウが対応する請求額をまだすべて支払っていなかったためだ。これら3項目による現金の使用額は、前年の10億2,400万ドルに対し、合わせて6億2,900万ドルだった。

この9カ月間の現金使用は、第3四半期に資金が戻ったことと矛盾しない。直近四半期の売上債権回収期間は50日で、前年同期の48日、第2四半期の44日と比べて長かった。在庫の保有日数は66日で、前年同期は67日だった。仕入先への支払いにかかる日数は65日で、前年同期は64日だった。資金の回復は、顧客からの回収が全体として速くなったことを意味しない。

顧客からの前受金も現金収入に寄与した。ただし、未履行分の残高はほぼ変わらず、流動・固定の契約負債の合計は19億4,300万ドルで、前年末の19億4,800万ドルと近い。これらの支払いは将来の納品に関するもので、一部の契約は最長18年先まで続く。現在の事業資金を支える一方、ダウには後で製品を供給する義務が生じる。提出書類は、今年受け取った現金の額を別途示していない。

出典:ダウの2026年第3四半期のForm 10-Q、注記3、18ページ。キャッシュフロー計算書、8ページ。運転資金の指標、52ページ。

四半期単体では、営業活動で18億3,900万ドルの現金を生み出し、7億600万ドルの設備投資を差し引くと11億3,300万ドルが残った。これらの数字にはカナダでの税金還付が含まれる。最初の9カ月間には、ダウはフリーキャッシュフローの計算に含めない支出も行った。投資活動には、投資商品の購入・売却による差し引き4億1,500万ドル、関連会社への投資と貸付に1億3,300万ドル、ガス田開発に6,900万ドルが含まれた。投資商品の購入には、会社所有の生命保険契約を担保とする借入金1億9,700万ドルの返済が含まれていた。

それでも、事業資金を賄う力は前年より強まった。2025年の最初の9カ月間には、ダウは少数持分の売却で29億4,300万ドルを調達し、長期債務を26億5,200万ドル発行した。2026年には少数持分の売却収入がなく、長期債務の発行額も1億ドルにとどまった。営業キャッシュフローの改善と配当の縮小により、こうした大規模な資金調達を繰り返さずに債務を返済できた。

出典:ダウの2026年第3四半期のForm 10-Q、キャッシュフロー計算書、8ページ。注記5、20~21ページ。経営陣による分析、43ページおよび52~54ページ。

4. ダウはコストの高い生産能力を削減しつつ、大型の成長事業を続ける

ダウの戦略は、当面のコスト削減と、より大きな効果が後から出る投資を組み合わせている。経営陣は組織を簡素にし、生産拠点の競争力を高めたい考えだ。同時に、電子機器、家庭用品、高機能包装などの特殊用途に成長投資を向ける。足元の業績には進展が見られるが、改革を完了するにはなお多額の現金が必要だ。

「Transform to Outperform」は、生産性の向上と事業の成長によって調整後の利益指標である営業EBITDAを改善する取り組みだ。この指標は、支払利息、税金、設備や買収した資産の使用に伴う毎年の会計上の費用を除いて計算する。ダウによると、最初の9カ月間に、この取り組みによる改善額は約4億5,000万ドルだった。経営陣は10月22日の発表で、2026年の目標を7億ドル、2027年末までの改善総額の目標を約20億ドルとした。これらは取り組みの目標であり、会社全体の利益やキャッシュフローの予測ではない。

出典:ダウの2026年第3四半期のForm 10-Q、戦略と見通し、42ページ。2026年10月22日の決算発表、最高経営責任者のコメント。

この改革は、2025年に発表した10億ドルの構造的なコスト削減策に加わるもので、約4,500人の人員削減を含む。9月までにダウは、退職金と給付の費用として4億8,100万ドル、実施費用として1億9,400万ドルを計上した。合計6億7,500万ドルは会計上の費用であり、すでに支払った現金の額ではない。退職金の支払額は2億1,400万ドルで、退職金に備えて計上した残額は2億6,700万ドルだった。ダウは今後2年間に、この取り組みで約8億ドルの追加の現金支出を見込む。

別の2025年の事業再編策にも、主に今後3年間で約3億7,000万ドルの追加の現金が必要だ。この中には約1億6,000万ドルの実施費用が含まれるため、2つの金額を足し合わせてはならない。工場を閉鎖すれば将来の操業コストを下げられる可能性がある。一方、生産停止後も設備の廃止・解体、契約の終了、従業員への支払いは続く。ダウは資産の操業停止を2027年末までにほぼ終える見込みで、一部の退職金の支払いは2030年初めまで続く。

出典:ダウの2026年第3四半期のForm 10-Q、注記4、18~19ページ。事業再編で見込む現金支出、57ページ。

設備投資は引き続き最大の事業に集中している。包装・特殊プラスチック部門は、9カ月間の設備投資の15億8,600万ドル、割合にして86%を占めた。ダウはアルバータ州の事業を含め、2026年の全社の設備投資を約25億ドルと見込む。提出書類は、既存事業の維持と拡張に投じる額を分けて示していない。

Path2Zeroは、生産時の排出量を減らしながら、配管、電線・ケーブル、食品包装向けのプラスチックを供給する計画だ。2026年2月に提出されたダウの2025年の年次報告書では、第1期の稼働開始を2029年末、第2期を2030年末としていた。また、2030年までの事業支出を年平均約15億ドルと見込んでいた。計画の遅れで資金負担が続く期間は延び、生産による効果が出る時期も後ろにずれる。9月の提出書類では、この事業は現在の設備投資計画に引き続き含まれている。

出典:ダウの2026年第3四半期のForm 10-Q、注記21の設備投資、および経営陣による分析、52ページ。ダウの2025年のForm 10-K、経営陣による分析の戦略的施策と投資活動によるキャッシュフロー、34ページおよび46ページ。

建設と並行して販売面の取り組みも進んでいる。ダウと販売代理店のユニバー・ソリューションズは、6月1日に販売契約を発表した。認証済みのカーボンフットプリント情報が付いた「Decarbia」製品を、パーソナルケア、家庭用品、食品、医薬品、産業用途の市場に供給する。この契約により、排出量の少ない原材料を求める顧客に届ける経路が広がる。発表は契約数量、上乗せ価格、利益を明らかにしていない。そのため、販売戦略の進展は示すが、利益の増加額までは示さない。

出典:ダウとユニバー・ソリューションズの販売契約、2026年6月1日。

目先の事業運営で問われるのは、バリー工場の閉鎖と組織変更によるコスト削減効果を、顧客への供給を続けながら維持できるかどうかだ。長期的には、特殊用途の需要とアルバータ州の工場が、拡大した設備を支えるだけの追加の現金を生み出せるかが問われる。特殊用途のシリコーンや産業用途での足元の成長は、この方向性を支えている。一方、出荷量全体は減っており、改善は全社の販売数量を押し上げるほどには広がっていない。

5. 債務削減で余地は広がったが、現金と融資枠には異なる制約がある

ダウは投資を続けながら債務を減らした。ただし、実際に使える資金は、流動性として示された総額だけから受ける印象より少ない。ファイナンス・リースを含む借入債務の総額は6億2,200万ドル減って175億3,900万ドルとなった。現金は増え、経営陣が示す純有利子負債も139億6,000万ドルから128億3,900万ドルに減った。

財務状況、百万米ドル2025年12月31日2026年9月30日
現金および現金同等物3,8164,142
売掛金(引当額控除後)4,7625,890
棚卸資産6,5957,024
有形固定資産(純額)22,25022,398
のれん・その他の無形資産9,4649,263
資産合計58,53860,953
買掛金4,1515,300
借入債務総額18,16117,539
オペレーティング・リース負債1,4371,369
その他の固定負債7,2018,772
負債合計(計算値)41,01643,321
資本合計(少数持分を含む)17,52217,632

計算上の注記:表に挙げた資産・負債の内訳を足しても合計額にはならない。金額の小さい勘定科目を省いているためだ。借入債務総額には、買掛金とオペレーティング・リース負債を含めていない。経営陣が示す純有利子負債は、借入債務から現金と流動の市場性有価証券を差し引いて計算し、すべての投資勘定を差し引くわけではない。

出典:ダウの2026年第3四半期のForm 10-Q、貸借対照表、7ページ。債務の調整表、55ページ。

売掛金は11億2,800万ドル増えた。売上が回復する中、顧客からの入金待ちとなる資金が増えたことと整合する。棚卸資産も4億2,900万ドル増えた。そのうち仕掛品は、後入先出法に関する会計調整前で3億7,500万ドル増え、項目別で最大の増加となった。後入先出法では、新しく仕入れた分の原価から先に売れた製品に割り当てる。この原価の調整額が大きくなったことで、棚卸資産の合計額はさらに1億1,500万ドル減った。したがって残高には、保有する製品の量と、それらに割り当てた原価の両方が反映されている。

有形固定資産の純額は、18億4,100万ドルの設備投資にもかかわらず、1億4,800万ドルの増加にとどまった。減価償却やその他の資産の増減が、投資額の大部分を相殺したためだ。その他の無形資産は1億6,800万ドル減った。その費用を予定に沿って計上する償却1億2,600万ドルが、減少の大部分を説明する。のれんは、買収額のうち個別に特定した純資産に割り当てられなかった部分で、ほとんど変わらなかった。貸借対照表で資金調達に関わる最大の変化は、資本ではなく負債にあった。係争中のノバからの入金と、サダラに対する保証債務の増加が、その他の固定負債の増加に寄与した。

出典:ダウの2026年第3四半期のForm 10-Q、財務諸表、5~8ページ。注記8、12、19。

9月30日時点で、契約済みの融資枠82億ドルは全額未使用だった。最大の融資枠は50億ドルで、期限は2031年6月だ。ただし、小規模な融資枠のうち7億2,500万ドルは、2026年10月または11月に期限を迎える。公表された現金と利用可能な契約済み融資枠の合計137億ドルは、9月30日時点の数字であり、借入可能額を含む。無期限に使える現金残高を示すものではない。

予定される借入元本の返済額、百万米ドル金額
2026年の残りの期間48
2027年782
2028年765
2029年996
2030年1,046
2031年878

出典:ダウの2026年第3四半期のForm 10-Q、注記11、24~25ページ。資金繰りに関する説明、53~55ページ。表は予定される元本の返済額を示し、利息の支払額は含まない。

返済予定を見ると、直ちに借り換える必要がある額は限られる。一方、利息の支払いには引き続き多額の現金が必要だ。ダウは、9月時点の金利に基づき、2027年から2028年に支払う利息を16億5,900万ドルと見込む。同じ期間に予定される元本返済額は15億4,700万ドルだ。9カ月間の支払利息は6億4,000万ドルで、前年の6億4,600万ドルをわずかに下回った。ダウは第3四半期に、年利6.90%から9.40%の社債3億ドルを償還した。その返済義務をなくすため、税引き前で5,300万ドルの損失を計上した。

オペレーティング・リースについては、将来の全期間にわたる支払額が、割引前で16億5,900万ドルある。このうち2027年から2028年の支払額は6億8,000万ドルだ。貸借対照表に計上された負債は13億6,900万ドルと少ない。将来の支払いを現在の価値に換算すると、より先に支払う分の価値が低くなるためだ。ファイナンス・リースの10億4,400万ドルはすでに借入債務に含まれており、重ねて加算しない。

出典:ダウの2026年第3四半期のForm 10-Q、注記11および13。契約上の債務、57ページ。

融資契約の主な財務上の制限は、ダウ・インクの事業子会社であるザ・ダウ・ケミカル・カンパニー(TDCC)に適用される。50億ドルの融資枠による借入額が5億ドル以上になると、借入債務は契約で定める資本の70%を超えてはならない。9月時点の比率は47%で、経営陣は条件を守っていると報告した。資金調達の状況には引き続き注意が必要だ。ムーディーズはBaa3の格付け見通しを「ネガティブ」としていた。一方、S&Pは7月にBBB-の見通しを「安定的」に引き上げた。

現金には、保有する場所や主体による制約もある。現金残高41億4,200万ドルのうち27億4,200万ドルは、米国の領土にある子会社を含む海外子会社が保有していた。また、ダウが支配し、連結決算に含める一部の事業体は、自らの事業に使うため2億6,600万ドルを保有していた。この額は現金同等物に含まれ、別に区分される使途制限付き現金1億3,000万ドルとは異なる。グループ全体の現金と親会社が支払いに必要とする現金を比べる際には、この違いが重要になる。

出典:ダウの2026年第3四半期のForm 10-Q、貸借対照表およびキャッシュフロー計算書、注記20。資金繰り、契約条件および格付けに関する説明、51ページおよび55~56ページ。

ダウの株主資本は1億4,500万ドルの小幅な増加にとどまり、161億5,300万ドルとなった。9カ月間の普通株主に帰属する利益は6億4,600万ドルで、配当額7億5,800万ドルを下回った。このため、ほかの調整を加えた後の利益剰余金は減った。株式報酬と、その他の包括利益累計額の小幅な改善が、その減少を補った。以下の株主資本の増減表では、こうした現金を伴わない項目と、調達した現金を区別している。

従業員への株式交付を相殺する自社株買いがなかったため、株式数は増えた。発行済み株式が増加し、以前に自己株式として保有していた株式も、報酬・福利厚生制度に基づいて交付された。流通株式数は年末の717.2百万株から9月には723.9百万株に増えた。四半期の希薄化後平均株式数も約2%増え、利益増加による一株当たり利益の押し上げ効果をやや弱めた。10月には従業員株式購入制度に基づき、さらに2.7百万株が交付された。ダウが公表した12月の配当は一株当たり$0.35だが、9カ月間の現金支払額には含まれていない。

出典:ダウの2026年第3四半期のForm 10-Q、貸借対照表および株主資本等変動計算書、7ページおよび9ページ。注記7および17。配当と自社株買い、56ページ。

6. 過去の事業から引き継いだ債務も、引き続き現金を必要とする

足元の利益が改善しても、過去の事業から引き継いだ支払い義務はなくならない。ダウが環境浄化・原状回復のために計上した引当額は9億9,100万ドルで、年末の10億1,100万ドルから減った。経営陣によると、引当金を計上した案件の最終的な費用は、その引当額の約2倍に達する可能性が合理的にある。これは総額で約24億8,000万ドル、計上済みの額を約14億9,000万ドル上回る水準を意味する。開示された不確実性の幅であり、追加損失の予測ではない。

ユニオン・カーバイドのアスベスト関連負債は6億4,500万ドルで、7億800万ドルから減った。約71%は将来の請求に関するものだ。経営陣はこの四半期に見積額を修正する必要はないと判断した。残る負債も、主に今後生じると見込まれる請求に備えている。

提出書類には、シードリフトに関するテキサス州の排水許可訴訟と、過去の配当についての説明をめぐる証券訴訟および関連する株主訴訟も記されている。これらの案件について、損失額として使える見積もりは示されていない。事業上の意味は、すでに予定されている現金支出に加え、さらなる支払いや操業上の要件が生じる可能性があることだ。

出典:ダウの2026年第3四半期のForm 10-Q、注記12、25~27ページ。訴訟手続き、60ページ。

退職給付も継続的な支払いを伴う。年金などの退職給付に関する固定負債は46億9,400万ドルから43億1,800万ドルに減ったが、この減少は現金収入ではない。ダウは9月までに1億3,800万ドルを拠出し、通年では約2億2,000万ドルの拠出を見込む。年金会計では9カ月間の利益を2,500万ドル押し上げる項目が生じた。帳簿上の給付費用と実際の現金拠出を分けて考える必要があることを示している。

出典:ダウの2026年第3四半期のForm 10-Q、貸借対照表、注記16。年金拠出に関する説明、57ページ。

長期の購入契約も、資金の使い道を制約する。2025年の年次報告書には、Path2Zero向けの供給契約や延長された契約を含む、273億900万ドルの購入義務が開示された。四半期報告書は、記載した更新事項以外に重要な変更はないとしている。これらの契約に基づき、ダウは時間をかけて商品やサービスの代金を支払う。また、2025年12月時点には、5億900万ドルの未認識の税務上の便益も報告した。これは税務当局に認められるか不確かであるため、計上していない節税額だ。関連する未払利息と加算税は3億3,400万ドルだった。これらは年次報告書の残高であり、四半期報告書ではその増減が更新されていない。

出典:ダウの2025年のForm 10-K、契約上の債務、53ページ、および法人税の注記、101ページ。ダウの2026年第3四半期のForm 10-Q、契約上の債務、57ページ。

7. ダウは事業を進める余力を取り戻した。次は改善を維持できるかが問われる

ダウの事業と資金繰りは前年より改善した。ただし、回復の継続は価格動向と施策の実行に左右される。製品の利幅拡大が報告利益を押し上げ、一部の特殊化学品事業では販売数量が増えた。事業から生み出した現金は、投資、配当、借入債務の削減を支えた。経営陣はこの余力を使い、将来の大規模な生産計画を維持しながら、費用のかかる生産能力を削減している。

示された証拠からは、事業は改善しているものの、需要の回復はまだ十分ではないといえる。全体の販売数量は前年を下回る。サダラの報告上の改善には、損失の計上停止による効果が含まれる。また、訴訟に伴う入金は、最終的な決着に先立って現金を押し上げた。今後の進展をより強く裏付けるのは、供給の混乱が和らいでも続く費用削減効果、より幅広い顧客への販売数量の増加、そして再び多額の訴訟関連の入金に頼らず、事業再編とアルバータ州での支出を賄える現金創出だ。反対に、利幅が再び圧迫されたり、サダラへの追加資金が必要になったりすれば、ダウが得た余力は縮まる。

報告の対象と計算に関する注記

報告の対象:この分析は、2026年10月23日に提出された、2026年9月30日を対象とするダウ・インクとザ・ダウ・ケミカル・カンパニーの合同Form 10-Qのうち、米国会計基準に基づくダウ・インクおよび連結子会社の数値を使用した。受付番号は0001751788-26-000160。別掲のTDCCの財務諸表に置き換えてはいない。四半期の比較対象期間は7月から9月、9カ月間の比較対象期間は1月から9月だ。貸借対照表は2026年9月30日と2025年12月31日を比較した。以下のドル建ての金額は、特に断りがない限り百万米ドル単位で示す。

出典:SEC提出書類、SECへの提出履歴、SECの企業別XBRLデータ。XBRLデータは、この受付番号、該当する日付と単位を使って確認し、ダウ・インクの財務諸表と照合した。特に、親会社に用いた純利益のデータは普通株主に帰属する利益を示す。連結純利益には非支配株主に帰属する分も含まれる。

計算に関する注記:以下の確認計算は、本文の判断の根拠となる算術を示す。経営陣による調整後の指標を米国会計基準に基づく実績や将来予測として扱うものではない。

A. 利益と利益率。第3四半期の売上高の伸び率は(11,267 ÷ 9,973 − 1)× 100 = 13.0%。9カ月間の伸び率は(33,153 ÷ 30,508 − 1)× 100 = 8.7%。売上総利益率は731 ÷ 9,973 = 7.3%から1,378 ÷ 11,267 = 12.2%に上がった。上昇幅は4.9パーセントポイントだ。

四半期の税引き前利益が5億7,200万ドル増えた内訳は次のとおり。計算上の営業損益の小計が6億1,000万ドル改善し、持分法適用会社の損益が8,400万ドル改善した。一方、その他の収益が1億3,500万ドル減った。受取利息は300万ドル増え、支払利息は1,000万ドル減った。これらを合計すると5億7,200万ドルになる。

出典:ダウの2026年第3四半期のForm 10-Q、連結損益計算書、5ページ。

B. 経営陣による四半期利益の調整。以下のプラスの項目は報告利益に加え、マイナスの項目は利益を押し上げた売却益や便益を除く。税引き後の列は、ダウの普通株主に帰属する利益を示す。税金への影響は、各項目が生じた地域の税制に従っている。

第3四半期の調整後利益への調整、百万米ドル2025年・税引き前2025年・税引き後2026年・税引き前2026年・税引き後
報告利益7062642458
事業変革費用を加算006954
2025年の計画による事業再編費用を加算231800
実施費用を加算543124
事業売却益を除外-110-11000
特定の訴訟利益を除外00-69-56
借入債務の償還損を加算18145341
特定の税務上の便益を除外0-12000
調整後の結果6-132726521

出典:2026年10月22日付の決算発表、重要項目の表と税額の算定方法、11ページ。税引き前の項目はForm 10-Qの注記21にも記載されている。

調整後の税引き前利益から受取利息を差し引き、支払利息を加えると、営業EBITになる。2026年は726 − 50 + 211 = 887、2025年は6 − 47 + 221 = 180だ。2026年の最初の9カ月間では、税引き前利益1,123に除外した費用の純額1,056を加え、受取利息130を差し引き、支払利息640を加える。その結果は2,689となる。2025年も同じ方法で、税引き前損失963に除外した費用の純額820を加え、受取利息114を差し引き、支払利息646を加えると、389となる。9カ月間に除外した費用の純額には、複数の計画に伴う費用や利益が含まれる。損益計算書の事業再編費用の項目だけではない。2026年の内訳は、事業変革費用675、資産関連費用と事業からの撤退費用58、実施費用80、特定のサダラ関連調整額292、借入債務の償還損53から、訴訟利益95と取引に伴う利益押し上げ項目7を差し引いたものだ。

出典:ダウの2026年第3四半期のForm 10-Q、注記11、19および21。営業EBITへの調整、53ページ。

C. 利益から営業活動による現金収支まで。減価償却費と償却費は会計上の利益を減らすが、その期の現金支払いではない。持分法適用会社からの配当は受け取った現金であり、その会社の利益や損失は会計上の金額だ。そのほかの行には、支払い時期の違いと残りの調整項目を示す。

9カ月間の現金収支の照合、単位:百万米ドル20252026
連結純損益-967882
減価償却費・償却費を加算2,1262,049
関連会社からの配当と計上損益の差額312534
現金支払い前の再編費用を加算822539
売掛金・棚卸資産・買掛金の増減合計-1,024-629
その他の資産・負債の増減-311,108
現金を伴わない繰延税金の利益を控除-179-94
現金を伴わない年金の利益を控除-73-25
年金制度への現金拠出を控除-145-138
資産・投資の売却益を控除-211-48
その他の純損失を加算134109
継続事業から得た現金7644,287

計算上の注記:2026年にダウは関連会社から279の配当を受け取る一方、関連会社の損失255を計上した。この損失の計上分を戻し、受け取った現金配当を加えると、調整額は534となる。2025年は配当190と損失の戻し入れ122を合わせて312となる。その他の資産・負債の行には、現金収支の項で述べた影響を含め、支払い時期による複数の変動が含まれる。提出書類にはその完全な内訳は示されていない。

営業活動による現金収入の合計4,293には、非継続事業からの6が含まれる。使途制限付き現金を含む期首現金3,952に、営業活動による現金収入4,293を加え、投資活動による現金支出2,292、財務活動による現金支出1,605、為替の影響76を差し引くと、使途制限付き現金を含む期末現金は4,272となる。そこから別に分類された使途制限付き現金130を差し引くと、貸借対照表上の現金4,142となる。

出典:ダウ 2026年第第3四半期 四半期 Form 10-Q、キャッシュフロー計算書、8ページ、および関連会社からの現金配当、46ページ。

D. 貸借対照表と資本の確認。9月の資産60,953は、負債43,321と資本合計17,632の和に等しい。12月の資産58,538も、負債41,016と資本17,522の和に等しい。経営陣が示す9月の純負債は、17,539から現金4,142と換金可能な有価証券558を差し引いた12,839である。12月については、18,161 − 3,816 − 385 = 13,960となる。

ダウ・インクの株主資本、単位:百万米ドル2025年12月31日9カ月間の増減2026年9月30日
普通株式808
追加払込資本11,112-5211,060
利益剰余金16,781-12216,659
その他の包括損失累計額-7,6606-7,654
自己株式(取得原価)-4,233313-3,920
ダウ・インクの株主資本16,00814516,153

計算上の注記:利益剰余金は、配当などで分配した後に残る利益の累計である。自己株式には、会社が買い戻して保有し続けている株式を記録する。その他の包括利益には、為替や年金に伴う変動など、当期の純損益に含めない変動を記録する。

追加払込資本には株式報酬261を加え、自己株式の交付に伴う313を差し引く。利益剰余金には利益646を加え、配当758とその他の調整10を差し引く。その他の包括利益の6の改善には、投資損失37と為替換算損失88、年金関連の利益106とデリバティブ利益25が反映されている。これらは会計上の変動であり、株主から調達した現金ではない。

非支配株主の持分は1,514から1,479に変動した。利益236を加え、資本に計上した分配265と為替換算損失6を差し引いた結果である。資本に計上した分配額は、現金で支払った232とは異なる。宣言済みの配当の一部が未払いであり、別の合弁会社への支払いは損益計算書と資本の計算で扱いが異なるためだ。ダウが支配しているため、ダイヤモンド・インフラストラクチャー・ソリューションズは連結対象のままである。2025年に売却した49%の少数株主持分について、同社を別会社として扱い、その利益をダウの合計利益に重ねて加えることはない。

従業員向けに付与した権利のうち、まだ確定していないものの一部には配当相当額が支払われる。そのためダウは、一株当たり利益を計算する前に、利益の一部をこれらの権利に割り当てる。四半期の希薄化後一株当たり利益は、普通株主に帰属する利益458から、これらの権利に割り当てた利益4を差し引き、希薄化後の平均株式数727.4百万株で割って求める。454 ÷ 727.4 = 四捨五入後で$0.62となる。比較対象の2025年は、(62 − 2)÷ 713.2 = $0.08である。株式数の変動は、新株発行と自己株式の交付によるもので、いずれの9カ月間にも自社株買いはなかった。

出典:ダウ 2026年第第3四半期 四半期 Form 10-Q、財務諸表、5~9ページ、注記7、14、15、20、純負債の表、55ページ。

この分析は情報提供と学習を目的としており、投資助言ではない。経営陣の計画や見積もりは、将来の結果と異なる場合がある。

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